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◆ super robot wars alpha gaiden another story
  -second stage- prologue
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「…」
恐竜帝国マシーンランド内・特殊プラント。
そこは、恐竜帝国科学技術庁長官・ガレリイの管轄下にある…
彼の個人的な研究にのみ使われるそこは、常に薄暗く、彼以外の人物の侵入を拒否するような雰囲気を漂わせている。
そして、今…その中に、この部屋の主が一人在る。
彼は、立ち居並ぶコンピューターの前に座り、無機質な光を放つ画面を見つめている。



「No.39め…」



…と、彼の口から、しわがれた声。
彼が放ったのは、あの「兵器」のナンバー…
かつて、自分がゲッターチーム・ゲッターロボ打倒のために造り、だがしかしその使命を果たすことなく潰えていったモノ。
そして、何の因果か…オリジナルの体内にて生きのび、No.0の身体を乗っ取り、再びこの世に姿を為したモノ。
「絶対に、許さん…わしに造られた『兵器』の分際で、」
ガレリイ長官の紡ぐ低い声には、そこここに怒りの色が見え隠れする。
「このわしに、反旗を翻すとは…」
それはほの暗い、陰湿な怒り。
自分に牙を剥いたあの流竜馬のクローン・No.39に対する…
「人間」どもの手先と成り果て、造物主たる自分に剣を向けた、あの度し難く愚かで不忠極まる、低能な「兵器」に対する怒り…
「…貴様に地獄を見せてやる、No.39」
ごぽっ、と、ポッドの中で泡がはじける音がした。
その中にたゆたうモノ…それを見つめるガレリイ長官の表情に、狂気と冷酷さにまみれた笑みが浮かび上がる。




「心の臓が衝撃で破けるほどの、肺腑が悔恨で絞られるほどの、何よりも貴様を冷酷に裁くであろう地獄を…!」





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